OPENSPACE FUKUOKA 5周年記念企画


すぎもとのスーパーレッスルエンジェルス・闘いの記録
- ちづるの勇気 -

このコーナーは私、すぎもとが大好きな「スーパーレッスルエンジェルス(イマジニア、1995)」をプレイしたときの模様を、ありのままに記録したものである。途中若干妄想でカバーしている部分もあるが、その辺はご容赦いただきたい。この読み物で、ひとりでもこのゲームに興味を持って、遊んでくださる方がいたらホントに嬉しいです。

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スタートレベル:初級(5000AP)
団体名:どんたくプロレス
プレイ年数:3年間
競合団体:
新日本女子...レベル6(全国中心)
日本海女子...レベル2(北陸中心・旗揚げ前)
葵女子...レベル1(全国中心・旗揚げ前)
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- 第一回・「旗揚げシリーズ」 -

『待たせたね』
俺が事務所に顔を出すと、大きめのリボンが特徴の秘書のおねえさんが、
『旗揚げ興行を行うには最低6人のレスラーが必要です。今月から6ヶ月後までに旗揚げをしなければ資金繰りは、かなり苦しくなります』
などと一気にまくし立ててきた。スカウトできる選手は毎月1人。そしてテストに合格する新人も毎月一人なので、3ヶ月あれば旗揚げは可能だという。せっかく旗揚げするからには、むちゃ強カワイコちゃん(死語)を集めて、世界に通用する団体を作りたいものだ。目指せリングスネットワーク。
『三年だ!三年間でどんたくプロレスを、日本一の女子プロ団体に育て上げるぞ!』
『はぁ。』
時は4月。伝説の始まりである。
※リングスネットワーク...オランダ、ロシア、グルジア、ブルガリア、オーストラリア、アメリカ、韓国など、いろいろな国から、前田日明の呼びかけに応じた猛者たちが集まってきた。RINGSオフィシャルサイト参照。

と言うわけで、さっそくスカウトに向かう社長...っていうか俺。現役フリーの選手で目を付けていた、永原ちづる選手に単身突撃するのである(624+99AP)。ちなみにAPってのは行動すると減っていく、団体の体力点(ゲームブック風)みたいなモノである。さて手元のプロレス名鑑によると彼女の通称は「スープレックスマシーン」。スタート時点で投げ能力ランキング2位の彼女は、特別に難易度1でジャーマンが出せるのである。リングス・ブルガリアのペトコフ好きの自分としては真っ先に獲得したい選手だ。何よりもポニーテールなのが、いい。太めの眉毛もナイスだ。...どうでも良いが彼女の名字は「えいげん」ではなく「ながはら」である。しばしば鬼の首を取ったようにエイゲンエイゲン言う方がおられるが、それは間違いなのである。
※ペトコフ...本名ディミータ=ペトコフ。1962年6月15日生まれ。ブルガリア・ソフィア出身。77年グレコローマン・レスリングブルガリア選手権優勝。

んで。
『今日はプライベートで来てるから、サインはちょっと...えっ?違うんですか?』
見るからに物欲しそうな顔だったらしく、只のファンと勘違いされる団体社長。
場所が場所なら「失礼ですが、そのお召し物では...」とか言われそうな、このイバラキングスタイルが失敗なのか?
『そ、その服イイですねぇ』
何を言ってるんだ、俺。
『へへっ、ありがとう。ところであなた...誰?』
なんと、割と良い印象を与えたぞ。勇気出せ、自分。
『私、ある団体を経営しているんですが、永原さん、私の団体でリングに上がってみません?』
『そうね、新しい団体に行くのも悪くないわよね。』
....へ。そ、それじゃ!
『うん、お世話になっちゃう。』
※イバラキングスタイル...デスマッチ至上主義団体として名を馳せた「W★ING」の主宰者・茨木代表が好んだ、安っぽいブルゾンと薄汚れたジーパンを基調とする、一種独特のファッション。

素晴らしい。スカウト成功だ。ズバリ幸先よし。なにしろ彼女には葵女子が目を付けているという、マル秘情報があったのだ。この勢いで新人も大発掘と行きたい(99AP)。
秘書『1名の合格内定者が出ました。皆川晴美(評価:440)』
いきなり基礎能力の高い新人が獲得できたので小躍りする社長、っていうか俺。
さっそく山形の彼女の実家に向かう。ごめんください。
『受かったんですか?よかった。連絡が遅いから駄目かと....あ、早く準備しなきゃ!』
なんていい子だ。さっそく彼女に特訓を受けてもらうことにする(30AP)。
一方、ちづる君(はやくも名前呼び)には打撃を覚えて貰うことにする。
すなわち掌底である。投げだけでは世界に通用しない。どんたくプロレスは寝て良し立って良しのバランスの良い選手を育てていきたいのだ。しかし掌底は流血戦になりやすく、怪我の危険も伴う諸刃の剣。素人にはお勧めできないのである。でもグラフィックがカッコイイので、以後どんたくプロレスに入団した選手全員に掌底を覚えさせることに決定。さらに特訓を終えた皆川君は個人使用可能APが高まったので、脇固めを修得してもらった。将来は、リングス・ロシアのコピィロフ選手のような業師になって欲しい。
※掌底...手のひらの付け根の部分で攻撃する技。掌底は攻撃力は拳に劣るものの、手首を痛めにくい利点がある。頭を狙えば、脳震とうを起こさせることも可能。


※コピィロフ...本名アンドレィ=コピィロフ。1965年6月10日生まれ。ロシア共和国エカテリンブルグ出身。90年ソ連総合民族すぽーツ大会サンボ部門1位。

そしていきなり福岡で営業活動を始めるどんたくプロレス。すなわちサイン会である。天神コアの屋上とかで、チケットを買ってくださったお客様にサインしまくるのである。ちづる君は元新日本女子の若手トリオの一員だった(選手名鑑より)から、わりかし知名度はあるが、皆川君は今月になって山形からやってきたばっかりのデビュウ前だったりするのだ。しかし背に腹は代えられないのである。もう旗揚げ戦の会場とか、押さえちゃってるし。
『頑張れ、ちづる君、皆川君。団体の浮沈はこのサイン会に懸かっているのだ』
『はぁ。』


秘書『福岡県の観客動員計数が1上がりました』
うむ。目指せ、福岡ドーム。
テレビ放映の契約も行った(どっかのケーブルテレビ)。やはりメディア戦略は重要であろう(500AP、月々50AP)。ゆくゆくは海外の強豪たちも招聘していきたいものだ。
※天神コア...福岡市の中心繁華街である天神に有るビルの名前。古くより、アイドルのキャンペーン等のイベントが数多く行われてきた。今は大型商業ビルが乱立する天神地区であるが、筆者が田舎で高校生だった頃は天神コアが一番ナウな(死語)、憧れの場所であった。


※観客動員係数...各県に設定されている、団体の評価値であり、興行を打った場合の観客数に反映される。サイン会は最大2上昇するので地道に行うのが良い。ちなみに屋内会場で満員札止めを出せば3上昇する。

こうして3ヶ月後、スカウトと新人テストで6名の選手がそろったのである。
すでに5月に日本海女子、葵女子が旗揚げしているのでちょっと焦ったが、じっくり練習を積んでおり、全員の選手が掌底を出せるのであった。ちなみに上位3名の得意技を合体させると、「打・投・極」という懐かしのUWFスタイルが完成するのがミソである。彼女らに若手を鍛えさせれば、バランスのよい選手が育つこと間違いなし。

・スープレックスマシーン、永原ちづる(投げ主体)
・ワルキューレの化身、小川ひかる(関節主体)
・空手マスター、斉藤彰子(打撃主体)
・焼き肉大好き、皆川晴美(新人)
・プリティーファイター、ヴィーナス麗子(新人)
・謎のマスクマン、ミス・リー(ホンコンからの留学生。日本語厳禁)

皆川君のキャッチフレーズが微妙なのは、頼みの選手名鑑をみても「わかんない」としか書いてなかったので、ポスターを作る際に困った末に、プロフィールに書いてあった彼女の好物を入れてみたのである。わけわからん。
ところで神秘性を増すためにいきなり登場させる(秘書は反対したが)、謎のマスクウーマン、ミス・リーの正体は紅京子(暴走族上がり)だったりするのだが、本当は4種類選べるマスクタイプの中で一番お得な虎タイプ(モラル+10、人気+15)にするつもりが業者に間違えて注文してしまい(ようするにボタン操作ミス)、よりによって悪党マスク(モラル-50、人気+20)を被せてしまったのが不安の種。
ちなみにこの時点で団体の残りAPは2326。ここが踏ん張りどころであろう。
※UWFスタイル...1980年代、前田、藤原、高田選手らが膝十字固めなど地味で隙がない、当時としては新しい関節技を次々と披露。これに佐山氏がムエタイ式キックを加えた、「打・投・極」の要素からなる格闘スタイル。筆者的には今だに、レガースを付けている選手は全員Uスタイルの使い手に見えてしまう。


※ワルキューレの化身...小川選手のイメージである藤原選手の入場テーマがワグナーの「ワルキューレの騎行」であることからと思われる。


※ホンコンからの留学生...ユニバーサル時代にMASAみちのく選手(現グレート・サスケ)が謎のマスクマンとして登場したときの肩書き。厳鉄選手(現ディック東郷)に正体を見破られた。なおミス・リーという名前は、スペースシャワーTVの「クイズ梁山泊」とは関係ない。

そして。
いよいよ旗揚げの日がやってきたのである。
場所は、もちろん西の聖地、博多スターレーン(定員3300人...実際にあの場所に3300人も入ったら大変なことになりそうな気もするが)である。
そして気になる客の入りだが、フタを開けたらなんと3135名の超満員。
これには正直驚いた。選手たちも緊張している。しかし、ここでしょぼい試合を見せるわけにはいかない。社長の俺は皆を集めた。
『ボクを信じて!』
『アーサー・シュミットかよ!』

以下は、どんたくプロレス旗揚げシリーズの記録である。6人タッグ一試合しかやらない興行というのも考え物だが、試合前にトークショーやらサイン会やら握手会やらボール投げやら、ファンサービスに努めていると思いねぇ。なにしろ、デビュウしたての若手選手らの怪我が怖いので、あんまりシングルマッチはやりたくないのだ。
※西の聖地...プロレスファンなら間違いなく博多スターレーンと答えるだろう。2Fの大ホールが興行に使用されるのだが天井が低いので、コーナーポストからの攻撃時は見ててヒヤヒヤする。ちなみに北の聖地は札幌中島体育センターだったが、1999年秋に惜しまれつつも閉鎖されている。


※アーサー・シュミット...対戦シューティング、ティンクルスタースプライツ(ADK)のキャラクターの一人。スピード以外に取り柄がない。

開幕戦:福岡・博多スターレーン(3135名・超満員)
リー(14分01秒・片エビ固め)●麗子
○斉藤(12分13秒・片エビ固め)●皆川
○永原(14分52秒・片エビ固め)●小川

第二戦:大分・佐伯市民体育館(1500名・超満員札止)
○永原、斉藤、リー(24分39秒・原爆固め)小川、皆川、●麗子

第三戦:宮崎・延岡市民体育館(2625名・超満員札止)
永原、小川、●リー(24分19秒・片エビ固め)斉藤、○皆川、麗子

第四戦:鹿児島・鹿屋市体育館(2940名・超満員札止)
小川、斉藤、●リー(27分07秒・片エビ固め)○永原、皆川、麗子

第五戦:熊本・鏡勤労者体育センター(2000名・超満員札止)
○小川、斉藤、リー(26分33秒・原爆固め)永原、皆川、●麗子

第六戦:長崎・大瀬戸町民体育館(2000名・超満員札止)
永原、●斉藤、リー(23分38秒・片エビ固め)小川、皆川、○麗子

最終戦:佐賀・有田文化体育館(1764名・超満員)
○麗子(16分38秒・片エビ固め)●リー
○斉藤(14分34秒・片エビ固め)●皆川
○永原(20分35秒・片エビ固め)●小川
※試合レポート:開幕からジャーマン、掌底とラッシュをかけた永原が、脇固め、延髄切り、バックドロップと一気に畳みかけ勝利。小川の反撃は単発に終わった。試合後、永原はマイクで再戦をアピール。

※怪我...選手の耐久力と1ヶ月に開催される興行数で怪我の頻度が決定される。特にシングルの試合を多く消化すると頻度は上昇する。入院した場合は回復までに3ヶ月もかかってしまうので要注意。

こうして、我がどんたくプロレスの旗揚げ戦は大成功に終わったのである。
所持金も、シリーズ前から一気に倍増以上に伸び、一安心した社長の俺である。
しかし、シリーズ終了翌日....

秘書『大変です!ミス・リー選手が反乱軍になりました』
あ〜、それは予想済みだから大丈夫だよキミぃ。
秘書『でも、たった一人で反乱軍ってのも...』
まぁそのうち仲間も増えるって。
秘書『はぁ。...そうそう、大変なんです!皆川選手と永原選手が怪我をしました!』

へ。...え〜〜〜!?

(以下、第二回・「EXリーグ戦」に続く)

※反乱軍...モラル値が下がりすぎた選手は、反乱軍となる。こうなると練習の指示などが出来なくなってしまうが、ヒールはプロレス興行に必要不可欠なのである。

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